新型コロナウイルス対策のためのマスク着用をめぐって政府は、3月中旬をめどに屋内外を問わず「個人の判断」にゆだねる方向で調整に入った。早ければ10日にも開かれる対策本部で着用ルールを変える日程を決める。
マスクといえば、Abenomaskとして海外でも広く報道された政府が民間企業から調達した2億8700万枚の布マスクの存在だ。
543億円の多額の税金を惜しげも無く使い、国民にマスクを配るといった政策。
当時の安倍晋三首相は国内全世帯への「布マスク」の無償配布を行うという方針を発表した。
2020年6月の時点で、布マスクの調達に184億円、配送費として76億円に達した政府は、発表した。
当初、政府は1枚当たり200円程度で1億3000万枚を調達する予定で、マスク購入費用として2019年度の予備費約233億円と、2020年度補正予算案に計上した233億円を合わせた計466億円を使用する計画だった。この最初の233億円の内訳は、6500万枚の購入費が169億円、運送・梱包費が64億円と見込まれていたが、総額543億円の費用がかかった。
マスクの調達先は?
社会民主党の福島瑞穂党首が行った質問に対する厚生労働省の4月21日回答によると、マスクの受注先は興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションの3社と非公表の1社の「合計4社」とされ、契約額はそれぞれ約54.8億円、約28.5億円、約7.6億円である。
立憲民主党の蓮舫副代表は「令和元年度予備費から今年3月に高齢者施設等用に2000万枚を調達、その内、50万枚を妊婦さん用に配布。その中にカビや不良品が混じっていて回収となりました」とTwitterでツイートし、受注企業については「興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションにもう一社の4社が受注したと言いますが、厚労省はこの1社の社名を明らかにしません」と記した。非公表の1社について野党は、アベノマスクの調達は公共調達であり公表する義務があるとして残りの1社の公表を厚労省に強く求めたが、担当者はかたくなに拒んでおり疑念が広がっていた。
4月27日になって福島は、厚労省から一非公表であった1社は株式会社ユースビオである」と記載された文書が届いたことを自身のSNSで公表し、官房長官の菅義偉も同日の会見で、非公表であった1社が福島市にあるユースビオという会社であることを公表した。菅は、妊婦向け布マスク受注業者4社に加え、介護向けとしてマスク製造業者の横井定もマスクを受注しており、介護向け納入事業者が合計5社だったことを明らかにした。
4月28日に、大串博志議員は3月に契約を結んだ段階でのユースビオの法人登記簿に「マスクの生産・輸出入」については明記されていない、と指摘し、加藤勝信厚労相は「輸出入に関しては、その会社が担っていると聞いている」と答弁し、「(その会社とは)シマトレーディングという会社であって、ユースビオはマスクの布の調達、納期時期などの調整、シマトレーディングは生産・輸出入の担当をしていたと聞いています」として、新たに「シマトレーディング」という会社が関わっていることが明らかになった。
合計4社と発表後も、変更があり合計17社32件計約440億円を厚生労働省を中心に民間企業へのマスク調達契約となった。
その後アベマスクの行方は?
東京近郊の倉庫には2021年10月末の時点で、8130万枚の「アベノマスク」が行き場のないまま保管されている。
厚生労働省によると、保管費用は去年の2020年8月から2021年3月までにおよそ6億円かかり、その後もかかり続けています。
またおよそ15%のマスクが不良品だったことも明らかになりました。政府は今月、希望する自治体や個人にマスクを配ると発表しましたが、厚労省によりますと、自治体からの問い合わせは現時点ではそれほど多くないという・・・。
ようやく岸田総理は21日、残ったマスクを年度内をめどに廃棄する方針を2021年12月21日に明らかにしました。
2022年の参院予算委員会の3月18日の質疑で、「アベノマスク」などの布マスク約53万枚の行方がわからなくなっていることが明らかになった。昨年3月末時点で、会計検査院が資料で確認した在庫枚数よりも、厚生労働省が実際に把握している在庫枚数が少なかった。後藤茂之厚労相は事実関係を認め、「大変遺憾だ」と述べた。
2020年8月から2021年3月までに6億円のマスク保管費用がかかっている。余ったマスクの無料配布を2021年12月24日〜2022年1月28日まで受け付けていたところ、37万件の申し出があり、配布希望の枚数は、約2.7億枚になると厚生労働省が発表。
2022年5月には、すべてのマスクの発送が完了する予定になっていた。
マスクの購入費、梱包費用、発送費用、保管費用、検品費用の名目で多額の税金を無駄にした政策をいまだに誰も責任をとっていない。