2022年11月1日、ジャニーズ事務所副社長の滝沢秀明の退社が発表された。それからわずか3日後。King & Prince(キンプリ)から平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太が今年5月で脱退し、順次事務所から退所することが明らかになった。
ジャニーズJr.を育成するジャニーズアイランド社長の滝沢、事務所屈指の人気を誇るキンプリの退所騒動は、世間に大きな衝撃を与えた。
その後も、「Sexy Zone」のマリウス葉が昨年末で退所し、ジャニーズJr.の「IMPACTors」が全員で退所することが明らかになった。さらに藤島ジュリー景子社長がタレントに渡していた“お年玉”を経費で計上し東京国税局から追徴課税を受けていたことが発覚するなど、激震続きのジャニーズ事務所とジュリー社長。その裏で、文藝春秋を東京地裁に名誉毀損で訴えていた。
ジュリー社長は、女優出身でありジャニーズ事務所の代表取締役でもある実業家だ。
藤島 ジュリー景子(ふじしま ジュリーけいこ、1966年〈昭和41年〉7月20日 – )は、日本の実業家、芸能プロモーター。芸能事務所・ジャニーズ事務所代表取締役社長。関連会社「ジェイ・ストーム」、「エム・シィオー」、「ユニゾン」、「東京・新・グローブ座」、「TOKIO」の代表取締役。愛称は「ジュリーさん」。
1966年、藤島泰輔と内縁関係にあり、バーを経営していたメリー喜多川の長女として生まれる。当時父の泰輔には俳人高浜虚子の孫娘で、俳人高浜年尾の三女の朋子という妻がいた。
1973年、6歳でフジシマ ジュリーの名でフォーリーブス主演のミュージカル『見上げてごらん夜の星を』にて、芸能界デビュー。以来、縁故により『おはよう!こどもショー』、『小さなスーパーマン ガンバロン』、『3年B組金八先生(第1シリーズ)』『HOT-TV』などに出演した。
中学校は元麻布の「西町インターナショナルスクール」へ進学。高校は父親とともにアメリカへ留学。大学は叔父のジャニー喜多川と同じ上智大学外国語学部比較文化学科(現・国際教養学部)を卒業。なお、大学時代にはスイスに留学している。卒業後、フジテレビに入社。秘書室勤務を経て、「藤島ジュリー」や「ジュリー・ケイ」の名でジャニーズ事務所のスタイリストになる。更に、初の自社レコードレーベル「ジャニーズ・エンタテイメント」の初代社長を経て、新レコードレーベル「ジェイ・ストーム」の代表取締役社長へと就任。また、メリーとともにジャニーズ事務所の代表取締役副社長も務める。
2019年7月9日にジャニーさんが死去したため、同年9月27日付でジャニーズ事務所代表取締役社長に就任した。
原告はジャニーズ事務所とジュリー氏で、東京地裁への提訴の日付は昨年11月24日。
このほど小社に届いた訴状によれば、ジャニーズが問題視しているのは昨年11月17日号の「キンプリ 滝沢秀明を壊したジュリー社長“冷血支配”」。この記事では、滝沢がジュリー氏に不満を持っていたこと、そしてキンプリのメンバーたちとジュリー氏の面談の様子などについて報じていた。
特に彼らの逆鱗に触れたと思われるのが、キンプリとの退社交渉の場面。ジュリー氏が平野紫耀との面談をドタキャンし、キンプリのメンバー全員との面会の際に「あなたたちなんか知らない」などと言い放ったと記した部分だ。
訴状ではジュリー氏が「King & Princeのメンバー及び滝沢氏を精神的に壊したことも、メンバーの脱退・退所や取締役辞任に追い込んだとの事実もない」などと主張。事務所とジュリー氏の名誉を毀損したとして、それぞれに5500万円ずつを支払うよう求めていた。
今回の提訴に対する「週刊文春」編集部の見解は次の通り。
「記事は、日本を代表する芸能事務所であるジャニーズ事務所で、何が起きているかを報じたものであり、その内容には十分自信を持っています。なぜ、ジャニー喜多川氏の後を託された滝沢秀明副社長が退社したのか、さらに人気絶頂のグループのメンバー3人が退所という決断を下したのか。ジャニーズ事務所の主張するような”円満”なものでないことは明らかです。今回の巨額提訴に臆することなく芸能界、メディア界で巨大な権力を有するジャニーズ事務所の実態について、今後も報道を続けてまいります」
1月10日(火)12時配信の「週刊文春 電子版」および1月11日(水)発売の「週刊文春」では、このほか、国税局に指摘された“経費でお年玉”と“補助金の期ズレ”に対するジャニーズ監査役の大放言、タレントによって異なるお年玉の金額、メリー喜多川氏の税金への考え方などを詳報している。